材料力学関係の厳選!おすすめ書籍
一般読者を対象とした「図解雑学シリーズ」の中の一冊です。
一般の人向けということで、とにかくわかりやすいです。イラストが多く数式はほとんど出てきません。日常でよく見られる光景を例にとって材料力学をわかりやすく説明しています。本書の最後の方では、3次元CADや有限要素法についても説明されています。
僕が読んだ材料力学の本の中で間違いなく一番簡単でした。本格的な材料力学の書籍を読む前のウォーミング・アップの役割を持つ一冊です。
学問としての材料力学としては一番わかりやすい内容だと思います。材料力学の入門書です。
本のタイトル通り、イラストがふんだんに使われています。各章の扉に「ポイント」コーナーがあり、これから何を習うのか意識しながら読み進めることができます。また、数式はそれなりに出てきますが、ギリシャ文字ではなく日本語で数式が組み立てられています。「えっと、σって何だったけ…」などアタマの中での変換作業がないため、わかりやすく好感が持てます。
各所に出てくる「コラム」がエピソードとしてかなり理解に役立ちます。
本格的な材料力学への書籍へのはじめの一歩となる本です。
有限要素法関係の厳選!おすすめ書籍
有限要素法を知るための入門書です。有限要素法と名がつく本は難解なものがおおいなか、この本は図解満載で非常にわかりやすく有限要素法を説明してくれています。
有限要素法のソフトウェア名についても触れ、有限要素法のツールとしての立ち位置も明確にしています。
さらに有限要素法の教育や解析報告書の書き方、解析担当者の心得についても述べられています。学術的な有限要素法ではなく、有限要素法をものづくりの現場に定着させていくための著者の心意気が感じられます。
有限要素法の立場から材料力学を読み解いており、材料力学が有限要素法の前提の座学であることがわかります。
本後半の形状パターン別の解析例は現場で役立つと思います。
有限要素法の「理論」と「実践」をこれほどわかりやすく、しかもガッチリとリンクさせ解説した書籍は前例がありません。東京大学の機械工学科での講義がベースになっているとのことです。
理論編でポイントを学び、実践編でノウハウを学ぶ方式で、解析のフローチャートのなかにノウハウがあり、そのノウハウがポイントにマッピングされているというようにシステマティックに構成されています。
理論編は数式やマトリックスがたくさん登場しますが、それほど複雑なものではなく、また図解も豊富なので、僕のようなアタマでも何とか読み進めることができました。
実践編はフリーの解析ソフトを使いながらアタマと「手」で理解するようになっています。
理論編の「ポイント」と実践編の「ノウハウ」をカードに書き出してみるだけでも十分な有限要素解析の虎の巻になります。
機械設計関係の厳選!おすすめ書籍
「デザイン科学が読み解く熟練設計者の知恵と工夫」。このサブ・タイトルにやられました。
本の前書きから引用します。
学生時代には、「このような形状」ならば「どの程度の強度を有する」という評価法を力学を学ぶなかで習得します。しかし、それとは逆に、「この程度の強度を有する」ためには「どのような形状」が良いかというノウハウについては学んでいないのです。
まさに現在の間違った解析の使い方を指摘しているように思えます。3次元CADでカタチを作るということは、質量と剛性を決めてしまっているということを意識しながら形状を作っている設計者がどれほどいるでしょうか。
この本は50の形状について、見開きで情報が整理されており、すべての形状パターンについて有限要素解析を使った数値実験による裏打ちが掲載されています。
この本の心臓部である2章の50の形状パターンの解説を挟んで、1章が熟練者の形状設計ノウハウをデザイン科学で考察したもの、そして3章がデザイン科学そのものの講座になっています。1章と3章がとてもおもしろいです。